FLOWER and Rabbit 幸せって、何だろう? 考えたことはない?? ボクは大好きなが出来て、考えるようになったんだ。 大好きな人と幸せになりたい。 でも…幸せって、何だろう? どれだろう? あれは、ボクのよく遊びに行く広場でのことでした。 キレイなキレイなお花が咲いていました。 とってもキレイで、可愛くて、ボクはそのお花さんのお友達になりたくて・・・ 「こんにちは」 勇気を出して話しかけてみたら、 少し恥ずかしそうだったけど、お花さんはボクに、 「こんにちは」 って答えてくれました。 ボクは、毎日お花さんに会いに行きました。 お花さんといると楽しくて・・嬉しくて・・ そっか。 ボク、お花さんのことが、好きなんだ。 そう気が付いたら、もういてもたってもいられなくなって… 「お花さん、ボク、お花さんが好きだよ!」 って、お花さんに言いました。 お花さんはピンク色だった花弁を真っ赤に染めてしまいました。 そして、お花さんは言いました。 「私もウサギさんが好きよ」 ボクたちはいつでも一緒でした。 幸せでした。 これが幸せなんだって、ボクは思いました。 でも、冬になるにつれて、ボクもお花さんも不安になってきました。 「私、冬になったら枯れちゃうわ」 寒くなったらお花さんは枯れてしまいます。 そしてボクは、寒くなって食べる物がなくなってきたら、 「ボク、冬になったら君を食べちゃうかもしれない」 だって、お腹がすいたらボクが死んでしまいます。 だからボクは、お花さんを食べてしまうかもしれません。 でも、こんなこと、お花さんには言えませんでした。 ずっと…ずっと、二人で幸せでいたいのに… 難しい。 「うーん」 ボクは一生懸命考えました。 「うーん」 お花さんも一生懸命考えました。 そしてある日、お花さんが言いました。 「決めた。私、お月様にお願いするわ」 「お月様に??」 「そう。満月の夜にね、お月様にお願いをすると、願い事を叶えてくれるんですって。 この前、ミツバチさんが教えてくれたの。 だから、私、お願いするわ。 ずっと、ウサギさんといられますように。 幸せでいられますように、って」 「うん」 良かった。 ボクは安心しました。 コレで、お花さんとずっと一緒にいられるんだもの。 満月の夜を待ちながら、 ボクとお花さんは、毎日楽しく時を過ごしました。 いよいよ、満月の夜。 ボクはドキドキしながらお花さんとお月様を見上げていました。 お花さんは、一生懸命お月様にお願いをしていました。 いったい何てお願いしてるんだろう? ボクには分からなかったけれど、時々ボクの方を見るお花さんは、優しく笑ってくれました。 大丈夫。幸せになれるわ。って。 朝。 いつの間にかボクは眠ってしまっていたみたい。 お天道様に起こされてボクがお花さんを見てみると… 「お花さん??」 お花さんは、石に変わっていました。 ボクの方を見て笑ったまま、石になっていました。 「お月様、お月様。 ウサギさんとずっと一緒にいられるように、私を石に変えて下さい。 寒くても、石なら枯れないでしょう? どんなにウサギさんがお腹がすいても、石だったら食べられないでしょう? ほら。 これでずっとウサギさんと一緒にいられるわ」 そして、お花さんはお願いしたとおり、石に変わった。 「お花さん…」 声をかけてみたけれど、お花さんはいつもみたいに 「なぁに?」 って、答えてくれません。 でも、いつもの優しい笑顔で、ボクを見てくれています。 これからもずっと、ボクを見ていてくれるんだ。 ずっと好きな人といられるって、幸せでしょう?
「良かった。ボクたち、幸せになれたね」
そう言って、ウサギさんは幸せそうに笑いました。 おわり
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