昊天朱眼坊
こうてんしゅがんぼう
の名を持つ、赤目赤髪に黒い翼を持つ天狗。
外見20代半ば(実年齢はその倍くらい)。
自信家で楽天家。悪戯好き。実は面倒見が良い。
国一の霊山─
鳳美山
ほうみさん
に棲む女大天狗─
仄華
ほのか
の24番目の子(今のところ末子)。
十年前に独り立ちし、
雛菱山
ひなびしやま
に烏の
丈爺
たけじい
と棲んでいる。
山の頂上にあるご神木の根元に祠があるが、そこには棲んでおらず、幹の中の螺旋階段を上った先、木の上に家があり、其処に棲んでいる。 階段を上るのが面倒なのでいつも飛んで行く。
人間の前に姿を現す時には、天狗面を付けて現れる。
本当の名を
藤貴
ふじたか
という。
黒髪に白い肌、黒い瞳。母親譲りのたおやかな美貌の少年。
儚げな印象とは対照的に、けっこう肝は据わっている。
十数年前、母─
白葉瀬
しらはせ
と共に、
陽稲
ひいな
村にやって来た。
その母とも十年程前に死別し、以降は村主の屋敷で奉公していた。
白拍子
しらびょうし
であった母譲りの霊力の所為で、幼い頃から物の怪を見て育ったため、 屋敷に行くまで、妖怪は誰にでも見えるものだと思っていた。
とある理由から、火群に嫁ぐ。
喋る烏。
山伏装束を纏っている。
火群が生まれた時から世話をしており、独り立ちしてからもお目付役として、雛菱山で火群と共に暮らしている。
口うるさく、世話焼き。
ご神木の中腹にある小さな家が
塒
ねぐら
。
普通の人間にはただの烏にしか見えず、その声も烏の鳴き声にしか聞こえない。
頭頂部に一つ目を頂く女姿をした妖怪。
人間の後ろ髪を引く妖怪で、疫病神として嫌われている。
そんな自分が嫌いでよく凹む。
メンタルの弱い妖怪。
時々、火群の所にやって来ては号泣し、ストレスを発散していく。
陽稲
ひいな
村の
村主
むらぬし
の一人娘。
遅くに授かった子で、両親は蝶よ花よと育てたかったが、それに大いに反発し、非常にお転なお嬢様に育った。
お屋敷にやって来た藤に唯一優しかった娘。
藤が妖怪を見ることを知っても、その態度を変えなかった。 むしろ、自分も妖怪を見たいとテンションを上げた変わった娘。
屋敷中の人間がお転婆さに頭を抱えたが、年頃になり見た目だけはおしとやかな美少女に成長した。
7、8歳くらいの男児の姿をした、一つ目の妖怪。
毎年、事八日に帳面を持って村の家々を回り、家の落ち度をチェックし、家人の運勢を決める。
帳面は道祖神に報告のために提出するらしい。
お仕事熱心、純真な妖怪。
人前に出るのが苦手な、恥ずかしがり屋さん。
時折、うっかり人の前に姿を現してしまい、人を驚かす。
そして驚かれたことに自分も驚く。
逃げ足は天下一品。
流天司宸坊
りゅうてんししんぼう
の名を持つ天狗。
鳳美山
ほうみさん
に棲む女大天狗─
仄華
ほのか
の23番目の子。
都に程近い、
鏑木村
かぶらぎむら
に棲む、火群の一つ上の兄天狗。
外見は20代後半(実年齢はその数倍以上)。赤目に黒髪、背に黒い翼を持つ。
派手好きで、山奥の豪奢な屋敷で、妻と小天狗(見習いチビ天狗)たちと賑やかに暮らしている。
下の弟天狗のことを気に掛けており、本人の迷惑顔を顧みず、何かと構っている。
非常に明るい性格。
城主の娘─桔梗に一目惚れし、猛烈にアピール。晴れて嫁に貰い、今でもラブラブ。
かつて鏑木村の領主の娘。
お家は取り壊されたが、
鏑木城
かぶらぎじょう
に住んでいたお
姫
ひい
様。
自害しようとしていた所を天狗の相樂に救われ、彼の嫁となる。
気品溢れる美人。
が、気が強い。
村人のことをとても大切にしており、鏑木家がなくなった今でも、村人からも大切にされている。
相樂と共に永きの時を生きてきた。
とある山の洞穴に棲み、夏になると夕立雲に乗り、落雷と共に地面へと落ちる妖怪。
外に出ることが大好きで、夕立雲のみならず、色んな雲に乗っては各地に落雷を落とす。
雷獣自身も雷のように元気で賑やかな性格。
本来の姿は子犬くらいの大きさの獣姿だが、普段は年若い おなごの姿をしている。
鷲のように尖った爪と、狐のような灰色の尻尾を持つ。
静天佳月坊
せいてんかげつぼう
の名を持つ天狗。
鳳美山
ほうみさん
に棲む女大天狗─
仄華
ほのか
の5番目の子。
冴え冴えとした美貌の天狗。
外見は20代後。赤目に長い黒髪、背に黒い翼を持つ。 口数が少なく、表情をあまり表に出さないため冷たい印象を与えるが、気性は穏やか。実は 兄弟のことを気に掛けている。
兄弟の中で最も大天狗に近いと言われている力の強い天狗。
人をあまり好まず、人里離れた山の中に屋敷を構え、動物たちと暮らしている。
唯一、白葉瀬という白拍子にだけ興味を抱いた。